イナゴ投資家いっちんが今の情勢から上がる株、下がる株を予想します。
まずは今週のマクロ材料から見ていきましょう
まず、今週の主役はこの2つだと見ています。
1つは、イラン情勢の再燃です。米・イランの停戦が事実上崩れ、ホルムズ海峡を巡る緊張から原油が急伸——WTIは一時72ドル台へ、Brentは77ドル台まで跳ねました。足元でもWTIは74ドル前後で高止まり。エネルギー高は、そのままインフレの火種になります🔥
そしてもう1つが、その最初の答え合わせとなる7/14(火)の米6月CPIです。前回5月が前年比+4.2%とまだ高止まりしていて、しかも今回は原油高が乗ってくる・・・ここが今週いちばんの山場ですね👀
それでも不思議なもので、米国株は最高値圏を保っています。S&P500は7,575、ナスダックは26,282、半導体のSOXも12,967と、AI相場の底力はまだ健在。ただFRBは7月末の会合こそ据え置き見込みでも、9月以降の追加利上げ観測がじわり強まっていて、利下げはほとんど織り込まれていません。「higher for longer」がいよいよ本気の局面です。
日本に目を移すと、日経平均は先週の66,819円からの下げを取り戻して68,866円まで回復。ドル円は162円と38年ぶりの円安圏で、ゴールドマンは先週、12カ月見通しを165円へ引き上げてきました。日銀は6月に政策金利を1.00%へ——1995年以来の水準まで上げましたが、次の一手は年末が有力で、当面は円安地合いが続きやすいと見ています。
気になったニュースをいくつか
- CNBC
来週(7/13〜17)の米国株見通し:CPIとQ2決算シーズンの号砲
投資家の関心は6月CPIと第2四半期決算のスタートに集中。インフレ指標と決算の内容次第で、最高値圏にある米国株の方向が決まるとの見方。
元記事を読む - NPR
イランとの緊張が、揺れる世界経済に新たな不透明感
米・イランの対立再燃と原油高で、インフレが一過性で収まるシナリオが崩れる懸念。市場は10月までのFRB追加利上げの確率を引き上げた。
元記事を読む - CNBC
日銀、政策金利を1.00%へ利上げ(1995年以来の高水準)
インフレとエネルギー価格の上振れリスクを背景に追加利上げ。ただし当面は日米金利差から円安地合いが続きやすいとの見立て。
元記事を読む - 米労働統計局(BLS)
米6月CPIは7/14発表、FOMC前の最重要指標
5月は前年比+4.2%とエネルギー主導で高止まり。7/28-29のFOMCを前に、市場が最も注目する物価の数字になる。
元記事を読む
今週の重要日程(指標・決算・IPO)
その週に何が起きるかで、動くか休むかが変わります。私が気にしている予定はこのあたりです。
- 7/14(火)指標米6月CPI(消費者物価)※今週最大の山。原油高の影響に注目
- 7月中旬決算米大手銀行の決算スタート(JPモルガン等)
- 7/22(水)決算テスラ・アルファベット 決算
- 7月下旬指標米6月PCE(FRBが重視する物価指標)※正確な日付は要確認
- 7/28-29指標FOMC(米金融政策)据え置き見込み。声明のタカ派度に注目
- 7/29(水)決算マイクロソフト・メタ 決算
- 7/30(木)決算アマゾン・アップル 決算
- 7/30-31指標日銀 金融政策決定会合。据え置き見込み、利上げ路線の示唆に注目
- 7月内IPO日本の新規上場が続く。自動運転のティアフォー等が注目、7/29にアイ・グリッド等
ここからお金の流れを連想してみます
さて、ここからが連想の本番です。
相場のお金というのは、消えてなくなるわけじゃありません。ある場所から逃げたお金は、必ず別のどこかへ流れ込んでいく——その逃げ場と行き場を追いかけるのが、この連想ゲームです💰
今回の起点は「原油高×インフレ再燃」。ここから素直に連想すると、まずインフレに強い資源・エネルギー、そして金利先高観で潤う金融にお金が向かいやすい。逆に、金利上昇に弱い高PERのグロースや、円安・燃料高でコストがかさむ内需には逆風が吹きます。
金利・財政、為替(金融覇権)、AI・半導体——この3つの入口から、お金の流れを追ってみましょう📈
金利・財政
金融覇権
AI・半導体
まずはアメリカ株の見立て
日本株はアメリカ株の値動きに大きく左右されます。そこで、親であるアメリカ株から見ていきます。
上がりそうな米国テーマ・銘柄
AI・半導体(最高値圏の牽引役)
SOXは最高値圏。AI設備投資の継続が相場全体の底力。CPIを無難に通過すれば一段高も。
- NVDAエヌビディアAI需要の本丸
- AVGOブロードコムカスタムAIチップ・ネットワークで恩恵
- MSFTマイクロソフトクラウドAI投資の中核。7/29決算
銀行・金融(決算スタート+高金利長期化)
higher for longerで利ざやが厚い。7月中旬から大手銀の決算が始まり、内容が試金石。
- JPMJPモルガン・チェース7月中旬に決算。高金利長期化の恩恵
- GSゴールドマン・サックストレーディング・投資銀行が好調
下がりそうな米国テーマ・銘柄
そして日本株の注目テーマ・銘柄
その流れを受けて、私が今週注目する日本株のテーマと銘柄がこちらです。まずは資金が集まりそうな「上がりそうなテーマ」から見ていきます。
上がりそうなテーマ・銘柄
エネルギー・資源/防衛(地政学・原油高)
イラン情勢と原油高で資源・エネルギーに追い風。地政学リスクの高まりは防衛の押し上げ材料。
- 1605INPEX原油高×円安の二重メリット
- 5020ENEOSホールディングス石油元売り最大手、原油高メリット
- 7011三菱重工業防衛関連の中核
輸出(自動車・機械)
162円の円安で採算改善が続きやすい。ドル建て収益の円換算メリット。
- 7203トヨタ自動車円安メリットの代表格
- 7267ホンダ北米売上比率が高く円安恩恵
- 7270SUBARU北米依存度が高く為替感応度大
メガバンク・金融
日銀の利上げ路線と世界的な高金利で利ざや拡大期待。金利上昇局面の王道。
- 8306三菱UFJフィナンシャル・グループ利ざや拡大の本命
- 8316三井住友フィナンシャルグループ同上・高配当も支え
- 8766東京海上ホールディングス金利上昇で運用改善の保険大手
半導体 装置・素材(押し目・中期)
短期は高値警戒でも、AI設備投資の継続で中期は恩恵。どのメーカーが勝っても日本の装置・素材は潤う構造。
- 8035東京エレクトロン製造装置の世界大手・押し目妙味
- 4063信越化学工業シリコンウエハ等の素材で世界シェア
下がりそうなテーマ・銘柄
グロース・ハイテク(短期の高値警戒)
米国の高PER調整と金利先高観で、最高値圏の半導体・グロースは短期的に利食いが出やすい。
- 6857アドバンテスト高バリュエーションで金利・調整に弱い
- 6920レーザーテック値動きの荒い半導体検査、短期は警戒
私の見立て
私なら今週は、まずCPI(7/14)の結果を見るまでは大きく動かず、様子を見ます。
軸に置くのは「原油高×円安」。エネルギー・資源と金融のコアはホールドしたいですね。半導体は・・・最高値圏なだけに、ここで飛びついて高値を掴むよりも、装置・素材の押し目を分割で拾っていきたいところ。
もしCPIが上振れて金利がさらに跳ねるなら、グロースは一段安もあり得ます。でも、その下げは金融・資源で受けられると見ています。逆にCPIを無難に通過したら、そこからは半導体の買い戻しに素早く乗り換えるつもりです。
頭と尻尾はくれてやる——それくらいの気持ちが、こういう指標待ちの週にはちょうどいいと私は思っています😉
最後に、リスクと注意点
もっとも、この連想は「原油高の継続」と「CPI高止まり→金利先高観」が前提です・・・
もしイラン情勢が急に沈静化して原油が反落すれば、インフレ懸念は和らぎ、金利低下でグロースや不動産にお金が戻る逆回転だってあり得ます。
逆に、CPIが想定以上に強ければ、最高値圏の米国株そのものが調整に入り、いくら円安でも日本株が連れ安するリスクは拭えません。トランプ政権の新たな関税の動きも、物価をさらに押し上げる火種として注意しておきたいですね👀